私と彼は父娘ほどの歳の差がある。
私は、会える日をもっと多く持たなければいけないんだな。
そんなに時間はない。
私は娘さんより下なのだ。
先の事を考えたことがないわけじゃない。
あちらも身体も良い方ではない。私は先々、共にするか?
あのかたは、そうは望まん。
それは知っている。娘さんの世話になるのも全く望んでいない。
彼が将来を考えているのは、恐らく入居施設だろう。
では私はどうなるのだ。
一人ぼっちで置き去りか。
あたいなら、あんたのさいごまで共にしても良いのだぞ。
我が母すら見捨てたと言うのに?
いや、考え過ぎだ。
入居施設から置き去りになどされない。
できないこともして下さる。
それがいいのだ。
母を見捨てたのは事実だが。
二度見捨て、あとのほうで亡うなった。
全く後悔はしてない。
母は病気持ちだった。知ってて放って仕事に行き、帰ったら死んでいた。
しゃあないじゃないか。
あたいは母のために幼少時代から人生をねじ曲げられた。
死んだと聞いたとき。
まぁ、お分かりでしょう。
あたいは歪んでるのか。そうだな。
誰にもあたいのことなぞ分からん。